小児の栄養・水分量

目次

栄養・水分の決め方

STEP
最初に水分とエネルギーを決める

以下の表を参考にする

STEP
蛋白質:脂質:糖質の比を決める(PFC比)

基本はPFC比=15:25:60

必要水分量

KPUM小児ICUマニュアル

KPUM 小児ICUマニュアル Version7
KPUM 小児ICUマニュアル Version7
  • ミルク栄養の場合などでは必要水分量はさらに増加する
  • 出生初期の新生児の必要水分量は、周囲環境によって大きく変化する不感蒸泄量に左右されるため、適正量の決定はしばしば困難であり、個々の状況により判断する必要がある
    不感蒸泄量が増加するような状況では100mL/kg/dayより多い輸液が必要になることがある
  • 乳児期:3-4ヶ月頃までは必要水分量は最大に達し140-160mL/kg/dayが必要であり、以後12ヶ月ごろまでは120mL/kg/dayとやや少なくなる

小児科当直医マニュアル

必要水分量
(mL/kg/day)
必要栄養量
(kcal/kg/day)
出生直後80-10080
新生児125-150100
乳児(〜5ヶ月)140-160120
乳児(6ヶ月〜)120-150100
幼児100-13080
学童(低学年)80-10070
学童(高学年)60-8060
思春期(中高生)40-6050
成人30-4030-40
神奈川県立こども医療センター 小児内科・小児外科 「小児科当直医マニュアル」 表3. 発育区分ごとの必要水分量と必要栄養量1

必要栄養量

TDR=BMR+EEA+SDA

TDR(Total daily requirement):1日必要量
BMR(Basal metabolic rate):生命維持に必要な基礎代謝、安静時消費エネルギー
EEA(Energy expenditure of activity):生体活動、成長に必要なエネルギー
SDA(Specific dynamic action of food):食物摂取に伴う特異動的作用、食物摂取と代謝により産生されるエネルギー

  • 上記のように1日に必要なエネルギーは計算されるが、実臨床では以下に上げるTDRから1日投与量を決める

日本人の食事摂取基準(2020年版)

推定エネルギー必要量(kcal/日)

KPUM 小児ICUマニュアル Version7

ミルクの種類別成分表

エネルギー
(g)
タンパク質
(g)
脂質
(g)
糖質
(g)
Na
(mg)
K
(mg)
Cl
(mg)
Ca
(mg)
Mg
(mg)
Fe
(mg)
P
(mg)
母乳61-691.3-1.43.1-3.76.5-7.11643-5139-4328-342.4-3.60.04-0.1514-16
標準ミルク
(ほほえみ)
701.73.58.2206944535.60.842.9
プレミルク762.82.211.33495617181.8751
低体重児用
ミルク
8224.48.63174528170.840
牛乳592.93.34.551137103118120.192
フォローアップミルク
(ステップ)
652.42.58.13111173959.51.153
MCTミルク681.83.57.9329366656.90.853
低脂肪ミルク
(低脂肪フォーミュラ)
561.90.511257046635.60.938
糖質代謝障害
乳糖不耐症
(ラクトレス)
6722.88.5217445565.90.932
KPUM 小児ICUマニュアル Version8

【参考文献】

  1. 神奈川県立こども医療センター 小児内科・小児外科 「小児科当直医マニュアル」 ↩︎
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